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だぶるおーのオープニング
「daybreak's bell」 L'arc en ciel




音楽によって特定の政治的思想をアピールしようとするならば、それはただの煽動だよね。自分の中にある気分とか目に映った世界を音楽メディアに変換した芸術でもなく、実証的なデータなり理論的な正当化なりを伴う学問でもなく、自分が主張したいと思っている信条を音楽によって形成される気分なり雰囲気なりに乗せて相手に押し付ける行為。勿論、曲なり音なり言葉の響きなり歌詞の構造なりが優れていれば芸術として楽しむことはできるし、主張の内容が根拠薄弱で全然なっていないとなれば誰もそんなものを真に受けたりはしないんだけれど。それでも、反戦や世界平和を歌った歌を特定の文脈で耳にすると、何となく嫌な気分になる。歌なんて歌っても、せいぜい元々そういう思想を持っていた人やあまり頭の宜しくない人の反戦「気分」を盛り上げる足しにしかならないのに、つまり世界平和の促進には全く資するところがないのに、なぜそんな歌を大衆に聞かせようとするのか。本当に世界平和を実現したいなら、もっと他にやりようがあるだろう。

逆に言えば、戦争根絶を歌う歌であっても文脈次第では素直に楽しめる訳だ。ガンダムOOの主題歌としてならば、「争いよ止まれ」という歌詞はアニメの雰囲気を盛り上げるものとして素直に受け取ることができる。核による抑止ならぬガンダム(ひいてはソレスタルビーイング)による抑止という方法による戦争根絶が主人公達の目的であるところのアニメの主題歌として、「daybreak's bell」はとても優れていると思う。歌詞の内容はかなりの程度アニメとリンクしているし、アップテンポで適度に暗い曲調もテーマに合っている(と私は思う)し。

一般論と、例外。


ちょっと話がずれるけど、OOセカンドシーズンのオープニングはそういう意味でアニメの内容からの乖離が激しいのかなと思っていたんだけど、どうも違うみたい。「愛が愛を重すぎるって理解を拒み憎しみに変わっていく前に」って何か普通の恋愛ソングじゃん!と最初は思ったんだ。でも、セカンドシーズンは「ガンダムによる戦争抑止の成否」が一つの大きなテーマであることは確かなんだけど、登場人物達の人間模様の要素がより強くなっているから案外「愛が愛が」って言っていて正解なのかもしれない。
by navet_merci | 2008-10-27 15:35 | 音楽雑感
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